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【SS】夏の蝶【ケンカズ】
さまーうぉーず。
気づいたら、手が動いていたんだ……
何も考えずに書きだすと、大抵ややシリアスかイチャコラができあがっているという。
なんか、よくわからない何かができあがっていた。
いつも以上に正しくヤマもオチもイミもない。
前半のノリが続かず、やべえそろそろいちゃいちゃさせたいと思いながら書いてたら、後半に反映されたらしい。
むしろ前半を書き直したいけれど、あえてこのまま。
また今度、いちゃこらしてるやつか、見ているほうがじりじりしてくるような、そんなケンカズを書きたい。





夏の蝶



目の前で、棚が、収められていた本が、CDケースが、崩れていく。
棚が崩れ、こぼれ出した巨大な三角定規が、黄色いリスのアバターの頭上に降りかかる。
現実世界ではない。OZの仮想世界で起きていることだけれど、リスのアバターが、アバターのアカウント主の姿と重なり、事実に対応できず目を見開いている姿に見えた。
手を伸ばす。届かない。
――届け、間に合え!
普段の佳主馬なら届かない。けれど今は、仮想世界であるからこそ、キング・カズマの姿であるからこそ、リーチはあるはずだ。
――くそっ、大事な人一人守れないで、僕はキングなんて名前、つけてんのかよ!
けれど、精一杯手を伸ばしても、その落下物から身を庇うにも、引き寄せるにも、突き飛ばすにも、なぜか竦んだように足が動かなかった。
なぜか、なんてものじゃない。はっきりと分かっていた。
崩れ落ちる棚の向こうに、見えたのだ。
――ラブマシーン。
ただの筆記具でも、巨大化すれば十分な凶器となる鋭利な定規に。
目の前で、愛する人は裂かれていった。
――また、守れない……守れなかった……また、僕は……!
伸ばした手は虚しく、それでも足は動かない。
――あああああああああっ!



「……大丈夫?」
優しい、声がした。目を開く。
視線の先には気遣うように首を傾げた健二がいて。佳主馬の伸ばした手を、ぎゅっと握りしめてくれていた。
太陽が見える。思わず目を細めて、ここが縁側であることを理解する。
「悪い夢でも見た? 汗びっしょりだけど」
健二は団扇を扇ぎ、風を佳主馬に送ってくれている。
言われて、ようやく理解した。佳主馬の頭は健二の腿の上にあって、そのまま眠ってしまったらしい。
「大丈夫、暑かっただけ」
伸ばしたままの手をそっと下して言うと、そう? と健二は微笑んだ。
「でも、着替えたほうがいいよ、汗、びっしょり」
「うん」
頷いたけれど、佳主馬は起き上がらなかった。
どうしたの? と髪に指を梳かれて、その手に佳主馬は自分の手を重ねる。
「あのさ」
「うん?」
「……側から、離れないでね」
指の隙間から見える健二はきょとんと両目を見開いていたけれど、やがて柔和な笑みに変わって行った。
「うん、分かった」
少し照れたような返事を聞いて、ようやくここが現実だと実感する。
思わず安堵の笑みが漏れて、両手を健二の首に回すと、体を起こすと同時に思い切り引き寄せた。
触れるような、キス。
余韻に酔う間もなく、離れようとした体を引き寄せられた。
再び触れる唇。今度は、舌の絡み合った濃厚な口付けだった。
縁側に、唾液の混じる音と、こぼれる二人の息遣いが響く。
いつの間にか膝は外され、床に横たわる佳主馬の上に、健二が乗りかかる形になっていた。
「……僕、汗くさいよ」
「どうせ、すぐ汗だくに……なるんじゃないかな」
照れ隠しに濁してみせる健二に、佳主馬はふっと零すように笑った。
「じゃあそうしたら健二さんも、着替えなきゃね」



タイトルは『胡蝶の夢』を意識して。
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【2009/08/25 02:53 】 | 未分類 | page top↑
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