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【SS】Who Are You? -06-
最後です。お疲れさまでした。

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Who Are You?

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結局、僕にはみかたが何を言いたかったのかもわからなかったし、僕が馬鹿だと言ったということは僕の発言はみかたからすれば的外れだったわけで、しかしそんなこと――いつものことだった。
みかたが、何を言いたいのか、僕が分からないなどということは。
「ああ、実験の前に一つ聞いておきたいことがあるんだ。そして、それに関しても、一つだけ話し忘れていたようだね」
この期に及んで、まだ話すことがあるという。
そして、みかたが何を言おうと、結局のところ、僕は半分以上にほとんど理解できないのだろう。それでいてなぜ話すのかといえば、ただのみかたの自己満足に過ぎないのではないかと言えばその通りなのだろうが、みかたに言ったところで必要な段階なのだとかよくわからないことを言いだしそうなので口を閉ざしておく。みかたの実験に挑む心理としては必要な段階なのだろう。僕にとってではなく、みかたにとって。
「君が心理学という学科にいるということが大切だと僕は言ったね。それにはね、二つ理由があるのだよ。一つはさっき言ったように、君が心理学という環境の場にいるということ。そしてもう一つは――心理学の教授と関係を持てる場であるということ」
こちらのほうが重要かもしれないね。
みかたはそう言って、先を続ける。
「人間心理なんて結局は人間の中にいれば培われるものだし、専攻心理学でなくとも構わないわけだ。しかし、心理学の教授と関係を持てる――いや、関係を持っても不思議ではない学科と言えば、そのまま心理学に尽きるだろう」
「……みかたは心理学の教授とつながりが欲しいということ? なら、それこそ、僕なんて必要ないじゃないか」
そもそも心理学教授とつながりを持とうという魂胆でそれが実際に成功しているならば、実験のパートナーや必要な専門知識の供給源というポジションに、僕でなくその教授を備え付ければいい。みかたならばどんな実験でさえ、所望すればそれも叶うだろう。
しかしよく考えれば矛盾――だった。
今のみかたの言を信ずるならば、実験に必要な知識は心理学専攻であればなおよく他学科でも構わない程度で、しかし心理学教授とのコネクションが欲しいのだという。
「君は何か誤解していないかね」
僕の戸惑いを理解しているのかいないのか、そもそも彼の言を僕が端から間違って捉えていたのか、いや、みかた曰く確かに僕は誤解しているということで、やはり僕は何もわかっちゃいないのだろう。
「僕が心理学教授とつながりが欲しいのではないよ。君が関係を持っている、それが大事なのだよ」
ちなみに一応確認しておこう。
前置きのように呟いて、みかたは言った。
「君の親しい心理学教授とは、確か峯田教授だったね」
「ああ、そうだけど」
「そう、そしてカウンセラーとしても有名だ。君は彼から、定期的なカウンセリングを受けている」
「それもそうだけど……お前が何でそんなことを知ってるんだ?」
よくわからないが、教授の研究に必要なデータという名目で――いわゆる被検体として要請され、定期的なカウンセリングを教授から受けていた。
しかし、今になってもまだみかたが何を言いたいのかがわからない。
そもそも、そう言えば今になって思い当たる僕も馬鹿だが、みかたが何の実験をしようとしているのかも僕は分かっていないのだった。
「ここにカウンセリング診断結果がある」
懐から薄い紙を取り出しながらみかたは言う。
なんでお前が持ってるんだ、と僕が疑問の声を発する前に、みかたはいつものように口角を釣り上げて、そして――
「結果は良好。そして、ほぼ人間と等しい、思考感情――心理状況」
――みかたは、何を言っているのだろう。
そんなこと――当たり前じゃないのか。
当然のことを、さも嬉しそうに、けれど歪に笑いながら、みかたは話している。
幕引きとでも言うかのように、みかたは一度、手を叩いて、少し、少しだけ、ほんの少しだけ、寂しそうに眉を下げた。
「ふむ、そろそろお終いだね」
唐突に、性急に脈絡もなく、みかたはいったい何を言い出すのだろうか。
「君と過ごした一年は非常に楽しかったよ。僕は自分の変態ぶりは自覚しているところだが、それに付き合えるだけの相手など中々いないからね、終わってしまうのはとてつもなく惜しい。それでも一年を費やした実験だ。その実験が何の得になるかといえばただ僕の欲求を満たすに過ぎないものだが、そもそも科学者という者は一様にしてそういうものだろう。他の為に物事を追求するのではない、自分を満たすために行うのだよ。しかし、この一年、君も楽しかっただろう? ありきたりだが言っておこう。君に出会えてよかったよ、とね。そう、そしてこの一年が楽しかったからこそ――全てが終わるその瞬間が、とてつもなく僕の望むとおりになるわけだ。ぞくぞくするね、鳥肌が止まらない、楽しみで仕方がないよ。早くそのときを迎えたくてなかなか抑えがきかないところだったが、けれど空腹は一番のスパイス、待つ時間が長いほど飯がうまくなるというものさ」
――何を言ってるんだろう。
「実験内容を説明しよう。僕が一年前から用意したロボットに向かって、たった一つの質問をするだけなのさ。そう、彼には決して浮かばない自問を、一人称を二人称に変えて、ね。それだけにすぎないのだよ。――準備はいいかな、いや、聞かなくてもわかっている。君は訳がわからないだろうし、分からないのが一番だ。それでも最後に一つだけ確認しておこう。――君が今、一番疑問に思っていることは何だい?」
「――みかたが、何を言っているのかが、一番の疑問だ」
本当に、何を言っているのか、僕には分からない。
「ふむ、それでこそ、だ。さすが僕の理想通りだ」
それでは、とみかたはいつも以上に気味の悪い笑みを浮かべて、そして、最後の一言を発するのだった。
「さあ、戦争を始めよう」
――この人、何を言ってるんだろう。





糸冬 了..._φ(゚∀゚ )アヒャ


特になんか説明いらないっすよね。
気が向いたらその内追記するか、サイトの方に載せるときに何か書くことにします。
読んでいただいた方は、お疲れさまでした。
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【2010/08/25 17:27 】 | 未分類 | page top↑
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