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小説の書き方
小説の書き方

まず、僕は小説を書くことを仕事にしているわけでもなく、
誰かに抗辯垂れるほど偉ぶれるわけでもないので、
これから書くことは僕がこれから小説を書くにおいての
覚書のメモのようなものだと思ってください。
人によって書き方はそれぞれあって、違うものだと思うので、
僕の書き方がすべて正しいわけではないです。
あと、色々文の例を挙げると思いますが、基本僕は脳が腐ってるので
そういう表現が多々見受けられることをご了承ください。
追記にどうぞ。

●プロット
僕はプロットを書くのが苦手です。
なのでプロットなんて書いたためしがほとんどありません。
行き当たりばったりでそのとき思いついたことを書いたり、
あとはあらすじを思いついても、整理を一度もせずぶっつけ
本番で始めたりします。
けれど、小説を書いていく上で決めなきゃいけないこととかは
人によって差異はあれど色々あります。
今回は、おおざっぱに最低限のものをまず決めます。

・書くもの
注文の多い料理店の二次創作
・内容
修学旅行でとある山を訪れた男子高校生二人が山奥に遭難し、
不思議なレストランを見つける。
・登場人物
ミユキ(DK1)
ケイト(DK2)
その他


雑ですが、こんな感じにします。
宮沢賢治の『注文の多い料理店』の、主人公をDKにした
現代版パロみたいなものです。


●一人称、三人称
題を説明する前に、まず、二つの文章を例に出します。



俺とケイトは山奥で道に迷っていた。
「おーい、この道ほんとにあってるのかよー」
ケイトは言った。
「……そのうち、どっか出るだろ」
俺は言った。
「それ30分前も聞いたんですけど」
ケイトがぼそっと言って、大きくため息をついた。
俺はケイトをちらりと振り返って、開きかけた口を閉じて、また前に向き直った。
そもそも道に迷ったのはケイトのせいだ。
ちょっと面白そうだから山奥に入ってみようぜなんて、渋る俺を無理やり山道に引っ張っていったのはケイトだ。
それを今指摘したところで、ただ喧嘩になるだけで、現状が改善に向かうわけではない。



ミユキとケイトは山奥で道に迷っていた。
「おーい、この道ほんとにあってるのかよー」
ケイトは言った。
「……そのうち、どっか出るだろ」
ミユキは言った。
「それ30分前も聞いたんですけど」
ケイトがぼそっと言って、大きくため息をついた。
ミユキはケイトをちらりと振り返って、開きかけた口を閉じて、また前に向き直った。
そもそも道に迷ったのはケイトのせいだ、とミユキは思う。
ちょっと面白そうだから山奥に入ってみようぜなんて、渋るミユキを無理やり山道に引っ張っていったのはケイトだ。
それを今指摘したところで、ただ喧嘩になるだけで、現状が改善に向かうわけではないことを、ミユキは重々わかっている。



今上にあげた二つの例、何が違うでしょうか。
多分そんな深く考えなくても、最低限文章に触れたことがある人ならわかると思います。
一人称小説か、三人称小説か、の違いです。
説明しなくてもわかると思うけど最低限説明します。
一人称小説とは、とある一人の人物の視点で書かれた小説。
三人称小説とは、特定の誰かの視点で書いたわけではない、いわゆる神視点の小説です。
以下簡単にまとめます。


・一人称小説
一人称小説は基本とある一人の人物の視点で一貫して文章が書かれていて、
自分のことを「私」や「僕」「俺」といった人称で表現します。
一人称小説の一番のメリットは「書きやすさ」です。
視点がころころ移動せず、固定なので書きやすいです。
対して誰かの視点で書かれているので、別の人の視点がわからない、というところがミソです。
これはメリットでもありデメリットでもあります。
試しに、上であげた一人称の例をケイト視点で書いてみます。


俺とミユキは山奥で道に迷っていた。
「おーい、この道ほんとにあってるのかよー」
俺は言った。
「……そのうち、どっか出るだろ」
ミユキは言った。
「それ30分前も聞いたんですけど」
俺はぼそっと言うと、大きくため息をついた。
ミユキは俺をちらりと振り返って、何か言いたげに口を開きかけて、すぐに閉じてまた前に向き直った。
その背を見つめながら、俺は黙ってミユキのあとをついていく。
そもそも、無理やりミユキを山道に引きずっていったのは俺のほうだ。
それに文句を言いながらも付き合ってくれた上に、先導切って歩いてくれてるんだからこれ以上ミユキにあたっても仕方ないどころか、おれが当たられてもいいような場面だ。



ミユキ視点ではわからないケイト視点の「思考」がわかりました。
対して、ミユキ視点の考えがわかりません。
どうして迷ったか、という提供される情報は必要かと思い、
ケイト視点で提供できる形で書かせてもらいました。
三人称だと、彼らそれぞれの「思考」を書こうと思えば書けます。
しかし、一人称だと誰か一人の思考しか書けません。
けれど、「書かない」ことで、例えば何か言いたげにしたミユキが本当は何を言おうとしたのかを
考えたりすることができるので、必ずしもデメリットといえるわけではありません。

また、一人称小説といっても、一人称の寄り方に程度があります。
今まであげた一人称小説の例は、どちらかというと文章が固めなタイプで、
まるでその人があとで日記とかで思い出してまとめて書いてるような形式になっています。
(そもそもの一人称の発祥がそこなので当然といえば当然なんですけども)

対して、いわゆるラノベ式とでもいうほど、地の文を口語に近づけたものがあります。
これは普段の口調が雑なキャラほどそれっぽく見えます。


俺とミユキは山奥で道に迷っていた。
「おーい、この道ほんとにあってるのかよー」
俺は言った。
「……そのうち、どっか出るだろ」
ミユキは言った。
「それ30分前も聞いたんですけど」
はあと、大きくため息をつく。
ミユキが何か言いたげに俺を振り返る。開きかけた口を閉じて、前に向き直った。
しゃあねえか。俺は黙ってミユキのあとをついていく。
そもそもだ、無理やりミユキを山道に引きずってたのは俺、だから道に迷った原因も俺だ。
それに文句を言いながらも付き合ってくれたミユキに、先導切って歩いてくれてるミユキに、なんの文句が言えるってんだ?
むしろ俺が当たられたっていい場面だろ。



最近この形式増えてきましたよね。
文章が短くて情報も少ないので今回はそこまで差異はありませんが、
ラノベ式一人称は口語そのままでかけるのでめっちゃ書きやすいです。
ノリで適当に書いてもそれっぽい文になります。
ただ、そのキャラの口調をトレースしなければならないので注意。


・一人称小説を書く上で気を付けること
一人称小説を書く上で僕が一番気を付けて書いてることは、「その視点のキャラが思いつかないようなことは極力書かない」です。
例えば5歳幼稚園児視点で以下みたいな文章を書かれたら気持ち悪いと思います。


文武両道、容姿端麗、おまけに人望も熱いなんて友人を持てたこと自体、僕にとっては奇跡みたいなものだった。
お遊戯の彼の演技に、僕は思わず感涙しながら拍手を送った。



は?ってなりますよね。誰やねん、お前、みたいな。絶対サバ読んでるじゃん。よくて26歳くらいでしょこの5歳児。
ちゃんと書くならこんな感じ。


かけっこもとくいで、けいさんもはやくて、おんなのこにもモテモテで、いっつもきらきらしてる。ぼくにとってはすっごくじまんのともだちなんだ。
かれがぼくのおともだちなんて、おほしさまにねがっててにいれたきせきみたいだっていつもおもう。
おゆうぎをしんけんにするかれのすがたに、ぼくはおもわずのめりこんで、カンドーしてしまって、なみだをながしてるのにきづかないまま、いっぱいりょうてをあわせてたたいた。



お星さまにねがって手に入れた奇跡なんて詩的な表現幼稚園児がするかよ、とか「おもわず」なんて表現使うかよ、
とか言われると元も子もないんですが、まあそこまでしぼっちゃうと平坦な文章しかできなくなるので程度の問題だと思います。
細かいことですけど、こういう例って一般の小説でも結構見かけて違和感覚えたりするんです。
例えば女の子がデートにおしゃれしてきたのを男子視点でとらえたとして、一般の男子なんてそんな普通女子の服装なんて詳しくないのに、
めっちゃ詳しく名前羅列されたって「お前どこでそんな知識覚えたんだよ」みたいになりますよね。




・三人称小説
三人称小説っていうのは一番取り扱いが難しいです。
一人称小説でも色々幅があるといいましたが、三人称はもっと幅があります。
ただ、いちいち羅列するとめんどくさいのでここでは簡単に書かせていただきます。

まず、三人称小説っていうのは書くのも難しいです。
視点がふらふらしがちで、例えば誰か一人の背中に張り付いているような視点の三人称だとか、
本当に完ぺきに神視点の三人称だとか、三人称なのに一人称っぽくなっているものだとか、
色々あります。
特に、一人称小説が書きやすいせいもあって、三人称で書いてるのに気づいたら一人称によっちゃってるみたいなこともあります。
あさのあつことか読んでると特にそうなります。
そもそも三人称小説ができたころをたどっても、物陰とか柱から作者がのぞいてみてる風に書かれてるやつもあります。
「おっとっと、見つかってしまうところだった」とかわざわざ書いちゃってたりするんです。
こんだけ書くのが難しいので、三人称が確立したのは割と近代ですし、その現代でも安定してません。

三人称小説では、一人称では片方の視点でしか書けなかった「思考」を両方書くことができます。
ただ「できる」だけで、実際に「書く」わけではありません。
どういうことかというと、一番初めにあげた三人称小説の文を見返せばわかるんですが、
あのシーンは特に「ミユキに寄った三人称」です。情報が被って文章が惰性化するのでケイトの考えはいらないとの判断でもあるんですが、
ミユキの視点を重点に置いているので書いてないです。
今あげた例みたいに重複する情報があった場合、誰視点で書くか、もしくは本当に完ぺきに三人称視点で書くか、というのは
三人称において割と自由です。でもある程度方向性を固めないと視点がふらふらしがちでぶれまくります。

一人称では「その視点のキャラが思いつかないようなことは極力書かない」と書きましたが、三人称では一概にそうともいえません。
例えているのがどちらかというと神視点なので、どんな例えでも違和感がありません。


彼をより現代社会に即して表現してみるならば、文武両道、容姿端麗、おまけに人望も熱い完璧物件であった。
そんな彼が友人であるということは、少年にとっては奇跡みたいなものだったのである。
お遊戯でありながら大人をも魅了するほど白熱した彼の演技に、少年自身もまた、思わず感涙しながら友人へ惜しみない拍手を送った。



一人称で違和感があったあの5歳児の文章を、三人称で書き直しました。
書き方次第で割と違和感がなくなります。
ぼくのなつやすみ、とかいうタイトルがついてラサール石井が声をあてはじめそうな感じですが、
三人称はこういうナレーター形式っぽいものもあります。

何が言いたいかって、三人称小説は書くのが難しいという話でした。




●設定を膨らませる
さて、三人称と一人称を並列して書くと難しいので、これからは一人称に絞って書いていきます。
一番初めの一人称小説を再掲します。


俺とケイトは山奥で道に迷っていた。
「おーい、この道ほんとにあってるのかよー」
ケイトは言った。
「……そのうち、どっか出るだろ」
俺は言った。
「それ30分前も聞いたんですけど」
ケイトがぼそっと言って、大きくため息をついた。
俺はケイトをちらりと振り返って、開きかけた口を閉じて、また前に向き直った。
そもそも道に迷ったのはケイトのせいだ。
ちょっと面白そうだから山奥に入ってみようぜなんて、渋る俺を無理やり山道に引っ張っていったのはケイトだ。
それを今指摘したところで、ただ喧嘩になるだけで、現状が改善に向かうわけではない。



まず、これを見ていい文章だと思うでしょうか。
僕は、たぶんこの文章自分で普段書いてたらめっちゃ自分にダメ出しして清水寺から飛び降りてI can flyとか言い出すと思います。

5W1Hなんて言葉があります。
Who What When Where Why Howですね。
ニュースの報道の仕方とかそういうのでよく言われますが、小説でもこれは大事です。
まず、上記の小説は圧倒的に5W1Hの情報が足りてません。
で、僕は適当な性格なので5W1Hにそって紹介するかといえば別にそうでもなく、
めんどくさいのでやりません。
でも適当にあてはめながら以下を読み進めていってください。
では、色々手直ししましょう。


・情景を浮かびやすく
まず、情景という観点で手直しをします。
情景に関して僕がぱっとこれダメだなと思いつくのはこれくらいです。

山奥の景色の描写がない
時間はどれくらいか

ではさらっと文章を追加していきましょう。
まず、出だしの「俺とケイトは山奥で道に迷っていた。」をもう少し詳しく書いていきたいと思います。
書きたい文章によりますが、
臨場感を増したいときは一人称小説では特に、その人視点の五感で感じ取ったことを文章にするといいと思います。


靴の下でぱりっと、枝の折れる音がした。
バランスを崩して傾斜を転げないよう、重心を前にして強くもう一歩踏み出す。
深く積もった葉に足が吸い込まれ、まるで沼にとらわれる感覚に襲われて、慌てて更に一歩前に進んだ。
木の間を一つ潜り抜けるたびに、自分の足音が騒がしくなる。土を蹴る音、葉を踏み鳴らす音、枝を折る音。それと反比例するかのように、周囲の 物音は小さく静かになり、車の走行音や動物の鳴き声さえ聞こえない。ただ時折風が葉を揺らして音の波を作っていくばかりで、だから余計に自分 の足音が木の間をこだまして響いているように聞こえた。
二人分の足音と、少し荒い自分の吐息が、山に吸い込まれる前に自分の耳に届く。
「おーい、この道ほんとにあってるのかよー」
ケイトは言った。
「……そのうち、どっか出るだろ」
俺は言った。
「それ30分前も聞いたんですけど」
ケイトがぼそっと言って、大きくため息をついた。
俺はケイトをちらりと振り返って、開きかけた口を閉じて、また前に向き直った。
俺たちは道に迷っていた。不承ながら認めると、一言でいえば迷子になっている、という状況だ。修学旅行で訪れた土地勘のまったくないこの地方で、もう小一時間は木々の生い茂る傾斜をさまよっているが、一向に人が踏み鳴らしたような道が見えることはない。
そもそも現状の原因をたどると、すべてはケイトのせいだ。
ちょっと面白そうだから山奥に入ってみようぜなんて、渋る俺を無理やり山道に引っ張っていったのはケイトだ。そして気づけば、山道から外れた木々の中へ歩みだしていた。
それを今指摘したところで、ただ喧嘩になるだけで、現状が改善に向かうわけではない。
息をついて、方角を確認するために足を止める。外界から隔絶するように枝を交わす木々の隙間から空をうかがっても、時折細く日が差し込んでくるばかりで太陽は見えない。背後を振り返っても、今歩いてきた道がどの方角だったかさえ定かでなかった。
腕時計の針は、まだ正午を少し過ぎたばかりの時間を示している。集合は夕方だからまだ余裕があるとはいえ、いつ抜け出せるかわからない自然の迷宮をひたすら歩いていると、次第に気が急いてくるものだった。一度山を下りればいいのかもしれないが、同じ麓に降りれるとも限らない。




道に迷っていたという文章を後ろのほうにもっていきました。
多分これいちいち書かなくても、描写とか会話で迷ってるのは分かると思います。
周囲の景色を「ミユキ視点」でとらえているため、どちらかというと少し怖いような、自然が襲い掛かってくるような感じの描写にしています。吸い込まれる、とか、外界から隔絶する、とか。
「山奥で道に迷っていた。」というのを、よりミユキ視点でとらえた五感で表現しています。
特に、視覚、聴覚の情報は大事なので、ミユキが今どんなものを見ているか、聞いているか、感じているかを交えながら書くとそれっぽくなっていきますね。
また、これは僕の書き方なのですべてその通りにする必要もなく、いきなり会話からスタートして、後で情景描写を持ってくるというのも全然ありだったりします。人それぞれの好みですね。これ書くと、後で書こうとしてる会話文うんぬんに関わってくるので省くことにします。



・登場人物の設定
物語を書きたい人っていうのは、話を書きたいというよりこのキャラを動かしたい、みたいな考えの人が多いと思うので、この辺は特に言わなくても大丈夫だと思うんですが、逆に僕はキャラ設定の作りこみというのをおろそかにしがちです。
小説も人生も行き当たりばったりで生きてるものですから、何も練りこまず進めちゃう場合が多いんですが、キャラの性格好きなもの関係性もろもろの設定は、書いていくうえで「このキャラは生きているんだ」というリアリティを増すことができるのでほんとは重要です。
ミユキとケイトの設定をもう少し細かくつけてみましょう。


・ミユキ
クール。頭がいい。たまに天然。一人っ子。両親は共働きで大体家に一人。
あまり感情表現が豊かでなく、表情にも表れづらく恥ずかしがりやなため人に冷たい印象を与えるが、ほんとは優しいとケイトは言う。
かわいいものが好きだがそれを隠しているつもり。ケイトにはばればれ。
・ケイト
見た目チャラ。金髪。ピアス。妹と弟が一人ずつ。
テストの点は平均以下だがスポーツは割とできる。人当たりもよく交友関係が広い。
バイトのため部活は入らず。
実はホラーが苦手。
ミユキとは中学から友人。



もともと設定厨なので練ってきたら楽しくなってきました。でも最低限書くだけにしときます。
正直言うとすごいホモ。楽しい。
この設定を踏まえて少しだけ手直ししていきます。



(前略)
二人分の足音と、少し荒い自分の吐息が、山に吸い込まれる前に自分の耳に届く。
「なあ、この道……もっとやばいとこ向かってね?」
ケイトは言った。
「……そのうち、どっか出るだろ」
俺は言った。
「それ30分前も聞いたんですけど」
ケイトが零すように言って、大きくため息をついた。
俺はケイトをちらりと振り返って、開きかけた口を閉じて、また前に向き直った。
(後略)


書き換えたのは会話のところだけです。
前のやつだと少し距離が遠い感じがしたので書き直しました。
この二人ならもう少し距離を近く歩いている気がしたので。
ホラーが苦手とかかわいいもの好きとかは設定としてはつくったものの、まだこのシーンでは特に使われる様子ないですね。
でも後々必要になるかもしれないのと、細かいネタを挟むときにリアリティが増すのでとりあえず設定は据え置いておきます。


・会話文のやりとり
会話文っていうのは小説では地の文に並ぶほど重要なものです。
会話のテンポがよければ読み方や作品全体のテンポもよくなりますし。
「」が発言の内容ですが、そのあとに大体、~は言った。なんてついたりしてます。
でも~は言ったばかりだと単調で面白くない、って僕は特に感じてしまいます。
また、発言のあとに必ずそれをつけると会話のテンポも悪くなったりします。
なので、ここではできるだけ、~は言った。だけの表現は避けて色々書き換えていくことにします。


(前略)
二人分の足音と、少し荒い自分の吐息が、山に吸い込まれる前に自分の耳に届く。
「なあ、この道……もっとやばいとこ向かってね?」
背中から、ケイトの不安げな声が足音に紛れて零れてきた。
「……そのうち、どっか出るだろ」
俺は後ろを振り返らないまま、正面を向いたまま答える。ケイトのため息が聞こえた。
「それ30分前も聞いたんですけど」
俺はケイトをちらりと振り返って、開きかけた口を閉じて、また前に向き直った。
(攻略)



できるだけ~は言ったと使わないために、色々表現も増えたことで想像しやすくなったかなと思います。
また、ケイトのため息が聞こえた。のあとに発言を持ってくることで、その発言の後ろに何かをつけなくてもそれがケイトの発言であるのがわかるようにしています。
ため息のタイミングとかは変わったけれど、特に重要じゃないのでよしとします。



●その他
・同じ表現は避ける
例えば何回も「カワイイ」って出てくると気になるタイプなのが僕です。それをあえて効果的に使うのでない限り、「胸がきゅんとなった」とか「おもわず抱きしめたくなった」とかそういう風に置き換えたりします。
名前は仕方がないとしても、「この長き時間をともにした友人は」とか「空を見上げながら悲しげな表情を浮かべる彼は」とかそういう表現に置き換えることもできます。
今回は、もう途中から最低限気を付けながら書いたのでこれに関してはよしとします。


・三人以上の会話
基本的にほとんどの小説は二人の会話です。
なぜなら三人以上の会話は急に難易度があがるから。
まず、別シーンの二人の会話を書いてみることにします。



「お、おい、やめとこうぜ……」
あたりを警戒しながら囁くケイトを無視して、俺はその怪しげな建物に近づいた。
周囲には人の気配もなく、中は薄暗く様子がうかがえない。玄関に一枚、簡素な札がかけてあるのみだった。

RESTAURANT
西洋料理店
WILDCAT HOUSE
山猫軒

「西洋料理店……山猫軒」
俺は札に書いてある内容をそのまま反復するように読み上げる。
「ぜってーやばい店だって! 入ったらまずいって!」
俺の腕の裾をしっかりと握ったケイトは、俺が振り返るなり全力で首を左右に振った。
「でも、このままだと町の方角もわかりそうもないし……」
「レ、レストランがあるってことは、この近くに何かしら家があるって!」
「そうやってまた迷って、この店すらどこにあるのかわからなくなって……」
「い、いざとなれば先生に連絡すれば!」
必死の形相でこの西洋風の建物に入る選択肢を拒否するケイトに、俺は自分のスマートフォンを取り出して画面を見せた。
「あ……? なに……?」
「電波」
俺が一言そういうと、ケイトは目を細めてから、あ、と小さな声をあげた。
いつからか知らないが、電波が通じないのだ。
そもそもこの地方で今まで電波が通じていたこと自体驚いていたから不思議はない。だが、いざとなれば誰かに連絡すればいい、という手段が取れなくなったのは事実だ。
「だから、とりあえず、食事をとるかとらないかは別として、この店に入って話聞いたほうが、いいと思う」
俺の腕の裾をさらにぎゅっとつかむ怖がりな友人を諭すように、俺は小さくうなずく。
ケイトの言いたいことが分からないでもない。
この屋敷のようなレストランは、一言でいうと異様だ。レストランの中には人の気配もなく、廃墟のような気配すら漂っている。カーテンは閉まり、明かりがついているかどうかすらわからない。けれど、あたりの雑草は刈り取られ、その建物の一角だけ明らかに整備されている。整備されている、というよりは、何かに区切られている、というような印象すら抱かせる。玄関の狭い石段や取っ手に埃がつもっているわけでもなく、誰かがいるはずなのにその気配すら感じられない。
人が留守にしているだけなのかもしれない。
ただ、どれだけ歩いたかしれないが、こんな山奥にレストランがある、というそれだけである意味不気味ではあった。
「まあ、そんなに怖いなら、ちゃんと俺にしっかりつかまってくれれば、その怖がってる姿いっぱい写メとってあげるから」
「なんでそこでめったに見せないとびっきりの笑顔を見せるのかな!!? ドS!!!!」



ここシーンに、もう一人ボブという名前の留学生がいて、三人で会話をしていたとします。
するとどうなるでしょうか。


「お、おい、やめとこうぜ……」
あたりを警戒しながら囁くケイトを無視して、俺はその怪しげな建物に近づいた。
周囲には人の気配もなく、中は薄暗く様子がうかがえない。玄関に一枚、簡素な札がかけてあるのみだった。

RESTAURANT
西洋料理店
WILDCAT HOUSE
山猫軒

「西洋料理店……山猫軒」
俺は札に書いてある内容をそのまま反復するように読み上げる。
「ぜってーやばい店だって! 入ったらまずいって!」
俺の腕の裾をしっかりと握ったケイトは、俺が振り返るなり全力で首を左右に振った。
「ハッハー、ケイトはホントコワガリネ」
ボブが愉快にケイトを指さしながら笑った。
「でも、このままだと町の方角もわかりそうもないし……」
「レ、レストランがあるってことは、この近くに何かしら家があるって!」
「そうやってまた迷って、この店すらどこにあるのかわからなくなって……」
「ちくわ大明神」
「い、いざとなれば先生に連絡すれば!」
必死の形相でこの西洋風の建物に入る選択肢を拒否するケイトに、俺は自分のスマートフォンを取り出して画面を見せた。
「あ……? なに……?」
「電波」
俺が一言そういうと、ケイトは目を細めてから、あ、と小さな声をあげた。
「ツウジナイネー」
何が愉快なのか知らないが、現状に気に障るくらい楽し気にボブは笑い声をあげる。
ボブの言う通り、いつからか知らないが、電波が通じないのだ。
そもそもこの地方で今まで電波が通じていたこと自体驚いていたから不思議はない。だが、いざとなれば誰かに連絡すればいい、という手段が取れなくなったのは事実だ。
「だから、とりあえず、食事をとるかとらないかは別として、この店に入って話聞いたほうが、いいと思う」
俺の腕の裾をさらにぎゅっとつかむ怖がりな友人を諭すように、俺は小さくうなずく。
ケイトの言いたいことが分からないでもない。
この屋敷のようなレストランは、一言でいうと異様だ。レストランの中には人の気配もなく、廃墟のような気配すら漂っている。カーテンは閉まり、明かりがついているかどうかすらわからない。けれど、あたりの雑草は刈り取られ、その建物の一角だけ明らかに整備されている。整備されている、というよりは、何かに区切られている、というような印象すら抱かせる。玄関の狭い石段や取っ手に埃がつもっているわけでもなく、誰かがいるはずなのにその気配すら感じられない。
人が留守にしているだけなのかもしれない。
ただ、どれだけ歩いたかしれないが、こんな山奥にレストランがある、というそれだけである意味不気味ではあった。
「まあ、そんなに怖いなら、ちゃんと俺にしっかりつかまってくれれば、その怖がってる姿いっぱい写メとってあげるから」
「ボブも撮るネ」
「なんでそこでめったに見せないとびっきりの笑顔を見せるのかな!!? ドS!!!!」



ボブは会話が特徴的なうえ、二人の世界に入りこめてない感じがするのでまだわかりやすいですが、
三人になった途端誰がどれを喋っているのか書かなければいけないことが多かったりします。
例えば二人の会話だったら間に何も入れなくても、初めに誰が喋ったかだけわかれば理解できたりしますが、三人いるとその都度書かなきゃいけなかったりしますよね。
あとは、だれに言っているかとかとか。最後のとびっきりの笑顔を誰が見せてるのか急にわからなくなってきましたよね。
前に会話文について書きましたが、三人以上での会話の時は更に注意が必要です。



●作品の雰囲気
どういう雰囲気のものが書きたいかによって語彙、表現、その視点の捉え方の選択肢が変わってきたりします。
また、必要な情報も変わってきたりします。
例えば出だしの文章、あれは少し怖い感じのものにしたいから、そういう感じの語彙、表現、捉え方で書きました。

では、例えばミユキとケイトのこれから始まるホモを書きたいという場合、出だしでは何が必要でしょうか。
大事なのは、人に寄りますが、ミユキとケイトの容姿とか、
ミユキのケイトに対する現状の思いとかになるかと思います。



靴の下でぱりっと、枝の折れる音がした。
バランスを崩して傾斜を転げないよう、重心を前にして強くもう一歩踏み出す。
深く積もった葉に足が吸い込まれ、まるで沼にとらわれる感覚に襲われて、慌てて更に一歩前に進んだ。
木の間を一つ潜り抜けるたびに、自分の足音が騒がしくなる。土を蹴る音、葉を踏み鳴らす音、枝を折る音。それと反比例するかのように、周囲の物音は小さく静かになり、車の走行音や動物の鳴き声さえ聞こえない。ただ時折風が葉を揺らして音の波を作っていくばかりで、だから余計に自分の足音が木の間をこだまして響いているように聞こえた。
二人分の足音と、少し荒い自分の吐息が、山に吸い込まれる前に自分の耳に届く。
「なあ、この道……もっとやばいとこ向かってね?」
背中から、ケイトの不安げな声が足音に紛れて零れてきた。
「……そのうち、どっか出るだろ」
俺は後ろを振り返らないまま、正面を向いたまま答える。ケイトのため息が聞こえた。
「それ30分前も聞いたんですけど」
俺はケイトをちらりと振り返って、開きかけた口を閉じて、また前に向き直った。
俺たちは道に迷っていた。不承ながら認めると、一言でいえば迷子になっている、という状況だ。修学旅行で訪れた土地勘のまったくないこの地方で、もう小一時間は木々の生い茂る傾斜をさまよっているが、一向に人が踏み鳴らしたような道が見えることはない。
そもそも現状の原因をたどると、すべてはケイトのせいだ。
ちょっと面白そうだから山奥に入ってみようぜなんて、渋る俺を無理やり山道に引っ張っていったのはケイトだ。そして気づけば、山道から外れた木々の中へ歩みだしていた。
それを今指摘したところで、ただ喧嘩になるだけで、現状が改善に向かうわけではない。
息をついて、方角を確認するために足を止める。外界から隔絶するように枝を交わす木々の隙間から空をうかがっても、時折細く日が差し込んでくるばかりで太陽は見えない。背後を振り返っても、今歩いてきた道がどの方角だったかさえ定かでなかった。
腕時計の針は、まだ正午を少し過ぎたばかりの時間を示している。集合は夕方だからまだ余裕があるとはいえ、いつ抜け出せるかわからない自然の迷宮をひたすら歩いていると、次第に気が急いてくるものだった。一度山を下りればいいのかもしれないが、同じ麓に降りれるとも限らない。
もう一度ちらりとケイトを振り返った。俺の視線に気づいて、ケイトは少し笑顔を見せる。
ホントはケイトのほうが運動もできて体力もあって、おれなんか置いてすいすいどこかに登っていけるはずだ。迷ったきっかけはケイトとはいえ、こういう優しさが見えるからこそ強く怒れないのだ。
俺はそんなに友達もいない。人に冷たいところがあるって自覚もしている。そんな俺にケイトだけが構ってくれている。
見た目はチャラくて髪も染めてピアスなんかあけて先生に怒られたりしてるけど、ホントは少し面倒見がいいを通り越してお節介で誰にでも優しくて、そして、いつも俺の傍にいてくれる。
修学旅行の今日の行程だって、ケイトは誰だって一緒に行動できる相手がいるはずなのに、俺なんかと当たり前に一緒にいてくれて、それが中学から今日までずっと続いている。




ちょっとそんな感じの気配してきたでしょうか。
いやあ、ホモっていいですね。やっぱホモだわ。noホモnoライフ。ホモは世界を救う。



●おまけ
・鍵カッコなしの文章
会話だけど鍵カッコにいれないで書くということを僕はよくやります。例えば以下。


ほんとはさ。
ケイトは呟いて、今にも泣きだしそうな笑顔を作った。
「ずっと俺のほうが、お前に頼りっぱなしで……俺が、ただ、お前の傍にいたかっただけなんだ」



ほんとはさ。
ってのは発言ですが、鍵カッコ外すとちょっと違った風に見えたりしますよね。
ぼそっと呟いたり、会話の合間の言葉を入れたりするときに僕はよく使います。
会話が単調にならないように色々工夫するとよいかもです。



・タイトル
タイトルってのは本編を見る前に、その本編を見るかどうかを決める重要な部分です。
最近のラノベとか同人誌とかエロ同人みたいなタイトルにするなら
「俺と幼馴染が山奥でエッチなレストランに迷い込みました」とかになります。
ピアスっぽいタイトルにするなら
「レストランの料理は……俺!?」とかです。
あ、まともなタイトル浮かばねーや。
どうしようこれ。
個人的には「注文の多い幼馴染」とかにして書きたいんですけど、
キャラ設定間違えたのでその方向に収められそうな感じがしなくて迷ったりします。
「肛門の多い料理店」とかそういうのでいいんじゃね?
まあなんていうかタイトルって大事なのでしっかり考えたほうがいいと思います。
何かいいタイトル募集してます。決まったらちゃんと書くと思います。




とまあ今までいろいろ書いてきたけど、小説ってのは人称に気を付けながら、作品の雰囲気に合わせてそれっぽいもの書いていけばいいんじゃね?
というお話でした。
まとめると、小説を書いたことがない人はまず「一人称」「登場人物が二人」「ホモ」の小説を書けばいいと思います。
以上です、ありがとうございました。
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【2016/01/03 23:35 】 | 未分類 | page top↑
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